「コーヒーっていう分野でみても、珈琲という植物を作ってるところから、カップに煎れて飲むという経験をするところまで、様々な側面において多様性が認められているのがいい状態だろう、と提唱した人がいるんです。」
どこの産地のものを使っているか、誰が育てたか、煎り方は深煎りなのか浅煎りなのか。
ラテやカプチーノといった飲み方、ホテルでゆっくり、大切なひとと、家でほっと一息、通勤時の気付けの一杯…。
その中から、自分の好みに合ったもの、哲学に合ったもの、そういう一杯を選んでいく。
「雑誌でよく取り上げられているのは”スペシャリティコーヒー”なのですが、あれは量り売りだった珈琲にスコアリングしたり産地にこだわったり、フェアトレードにもつながる珈琲の指標です。」
そのため、雑誌に取り上げやすいという。
「ただ、アメリカ生まれの指標なので、全体的に浅煎りで酸味と苦みが強い味がよいとされる傾向にあります。コクが好みな人にはあまり合わない味です。深く煎る間に酸味がコクに変わっていく。」
みさご珈琲の珈琲豆は”シティロースト”、「やや深め」から「深め」の焙煎だそうだ。
そもそも、選択していく、とはどういうことなのだろう。
今回の”エシカルに生きよう”インタビューの中でも、多くの人が選択の重要性について触れていた。
「カオス推定理論というのがあって」
向井さんは言う。
「例えば、道。道ってもともとぐちゃぐちゃなんですよ。それぞれが勝手に歩きやすい道を作っているので。でも、そのうちに、集合知や関わりのなかの、“こっちに行ったら死ぬ”とか“時間がかかる”とか、まずは行ってみて、多くの試行や犠牲の中から最良の道が選択されて、また道が伸びていく。
そのごちゃごちゃした状態がカオスです。多様な選択肢を含んだカオスの中で、“生か死か”とか、基準に基づいて選択肢が選ばれていって、それが秩序、つまりコスモスになる。」
「カオスの中から何も選ばれなければそれはただ”わさ”っとした集合体で、全然意味ないんです。逆もしかりで、秩序だったものの先にカオスが生まれなければ、いつまでも新しい発展はありません。」
選ぶということは、そういうことなのだと。
カオスの中から一つを選ぶ、その基準が大切なのだそうだ。
「選択肢を選ばないと残らないっていうのは、カオスとしての判断ですよね。それが大衆迎合とか同調圧力で自分の判断じゃないっていう方向性を選んじゃった時に文化は崩れていくと思うんですよ。」
ごちゃごちゃしたままでは先へ進むことができないし、逆に、選択肢が整理されている状況では新たな可能性が見えてこない。交互に繰り返されるからこそ進化していけるという話。
いろいろ試して、判断して、選択して、またその先で新たに多くの可能性を探る。
そこに自分なりの“基準”があるか、それに基づいて選んでいるか、というのは大切である。
その基準は変わっていってもいい。
皆さんもぜひ、たくさんの人と自分のエシカルについて話しあって、いろんな意見を聞いて、カオスを作り上げて、選択していきましょう!
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香りとコクの深入り珈琲を
ぜひご賞味ください!
みさご珈琲
兵庫県宝塚市山本丸橋1-5-31
http://misago-coffee.com
Interviewer:能勢妙見山観光協会 植田観肇 吉井麻里子(記)